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世界が認める今 敏監督のエディティング(編集技術)とは?パート①

アニメーションという表現方法を選んだ、映画監督なんです。

海外において日本のアニメ監督といえば、まずは宮﨑駿さんでしょう。しかしその宮﨑駿さんに次ぐレベルで評価が高い日本のアニメ監督がいます。それは今回の記事で紹介する今 敏監督です。

今 敏の空間と時間の編集

今 敏監督の演出技法といえば、空間と時間の編集です。また類まれ無いレイアウト能力も今 敏監督を語る上では欠かせないポイントでもあります。

そういった今 敏作品の魅力を今回も映像分析で恒例のEvery Frame a Paintingから紹介していきますね。

まずはEvery Frame a Paintingの主催者、Tony Zhouが語る今 敏監督についてのコメントを以下に引用します。

Four years after his passing, we still haven’t quite caught up to Satoshi Kon, one of the great visionaries of modern film. In just four features and one TV series, he developed a unique style of editing that distorted and warped space and time. Join me in honoring the greatest Japanese animator not named Miyazaki.

「彼の死後4年経った今なお、我々は彼の様々な現代映画においつけない。彼の4つの劇場映画と一つのTVシリーズは『歪みねじ曲げられた時間と空間』という彼独特の編集スタイルを確立した。Miyazakiとは違う偉大なアニメーターの世界に一緒に飛び込もう。」

“Requiem for a Dream”のワンシーン

今 敏監督の画作りは世界中の映画監督から尊敬されています。”Requiem for a Dream”のワンシーンは”Perfect Blue“の、”Inception”は”パプリカ“のオマージュであることは有名です。

Darren Aronofsky(ダーレン・アロノフスキー)やChristopher Nolan(クリストファー・ノーラン)の画作りにも影響を与えた今 敏監督の画作りとは一体どんなものだったんでしょうか?

リアルとファンタジーの間のボケた輪郭

Tonyは今敏監督の最も特徴的な点として”matching scene transition” (マッチカット)を挙げています。

そのマッチカットの特徴は”The Simpsons”(ザ・シンプソンズ)や”Buster Keaton”(バスター・キートン)に通じる部分はあるTonyは語ります。しかしそれを踏まえて”Kon was different”と言い放ちます。

This is more of a SF tradition that includes Philip K Dick and Terry Gilliam.

「Philip K Dick and Terry Gilliamに通じるもっとSF的な画面遷移だ」

時間と空間を飛び越える編集点を作ることで、観客は一瞬にして目の前の出来事についさっき見た出来事を繋ぎ合わせようとして、必死に映像の「輪郭」をつかもうとします。しかしそこにはすでに「歪みねじ曲げられた時間と空間」が展開しているんです。こういった画面から伝わる奇妙さ、この感覚も今 敏監督を語る上では欠かせない要素です。

Slaughterhouse-Five

“His inspiration was the movie version of Slaughterhouse-Five directed by George Roy Hill”.

「彼のインスピレーションは映画でいうとジョージ・ロイ・ヒルが作ったスローターハウス5だ 」
スローターハウス5には三種類のマッチカットがあるとTonyは語ります。

  1.  A general match cut(通常のマッチカット)
  2.  An exact graphic match(ビジュアルマッチカット)
  3.  An intercutting two different time periods, which mirror each other(それぞれに異なる時間軸のカットで、互いが鏡に写したように見えるマッチカット)

今 敏監督の作品にはこれらの技術が全て使われており、尚且つ別の演出もふんだんに盛り込まれているとTonyは語ります。たとえばフィルムを巻き戻し新しいカットを挿入したり、TV画面からズームアウトし、ジャンプカットとしてブラックフレームを使う、またオブジェクトが画面を横切りそれを起点に画面が切り変わるといったようなものです。

今 敏監督の特徴はやはりマッチカット抜きには語れないところでしょう。パプリカの4分間のオープニングシーンでも5つの夢をマッチカットを使って繋いでいます。また6つ目のシーンにおいては通常のマッチカットではないですが、ビジュアルマッチカットで上手く繋がれています。

夢と記憶、悪夢と映像、そして生活

Kon’s work was about the interaction between dreams, memories,nightmares, movies, and life.

「Konの作品は夢と記憶と悪夢と映像、そして生活の相互作用だ」

今 敏監督はこれらの違う世界の出来事をマッチカットを使って効果的に繋げていきます。なぜこのように全く違う空間や時間、観念が流れる世界の効果的に繋げれるのでしょうか?

パート②に続きます。

(source: youtube)

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