「TIME DRIVER 僕らが描いた未来」「熱血人面犬」監督の山元隼一さんインタビュー。監督のアニメ作りへの考えとは?

山元監督のアニメ作りへのこだわりをお聞きしました。

こんにちは、ライターのMoAです。今回はオリジナルアニメ「熱血人面犬」や3DCGアニメ「MEMORY」などの監督 “山GEん” こと、山元隼一監督にインタビューさせて頂きました。あにめたまご2018で原案・監督を務めたアニメTIME DRIVER 僕らが描いた未来についてもお話をお聞きすることができましたよ!

山元隼一監督の経歴を伺いました

幼いころからアニメが好きで、自分でオリジナルの設定資料集を描いていたと語る山元監督は、2005年に九州大学芸術工学部画像設計学科に入学。ここで「イヴの時間」の吉浦康裕監督や「オオカミとブタ」の竹内泰人監督といった、現在活躍中のアニメクリエーターたちと出会いその制作現場を間近で感じアニメを制作する道を目指したと振り返ります。

2009年、九州大学芸術工学部画像設計学科卒業。

2011年、九州大学大学院芸術工学府デザインストラテジー専攻を卒業。

卒業後にはフリーランスとして活動。

(youtubeにて60万回再生)

在学中には、国内外のアニメーションコンペで多数のグランプリを受賞。その後、神戸市のPR動画やドラマなど数々のアニメ監督の仕事を担当したのちに現在のフリーランス監督に至ったとのことです。ちなみにオリジナルアニメ「熱血人面犬」を始め、ギャグ作品を多数手掛ける山元監督ですが、一人でも多くの人の心に届く作品を作りたいと熱く語ります。

また、経済活動はもちろん大事だがそのルールを満たしながらも、「文化を残していくことが作家の果たすべき使命であるである」というスタンスで「10年後に観た時も笑ったり楽しむことのできる作品作り」を意識されているようです。リチャードドーキンスの提唱する「ミーム」をどう残していくかがクリエイターの業であり宿命だと語ります。

次回予告コーナーの監督を務めた「星色ガールドロップ」について

山元監督の最近の作品には話題のTVアニメ「ポプテピピック」の次回予告「星色ガールドロップ」があります。次回予告の監督という珍しい立場について山元監督に伺うと「次回予告というより、コーナーの監督という体制なんです」と予告自体が一つのコーナーの扱いで、また、全部の予告を見た時に、それが1クールのアニメを見て来たような感覚、 見ている人にこんな話があったのではないかと想像をしてもらえるに物語を作っていったと解説。

またオファーに至る経緯に関しては、神風動画の水﨑氏と別作品で仕事をしている際に「山元さんに得意な作品があるんです」と、ギャグ作品である本作に誘われたと明かし、コーナーのディレクションから脚本まで自由に描かせていただいたと語りました。

ガラパゴス進化とは!?監督の作業環境

 

原作から絵コンテ、原画、動画、仕上げ、撮影などアニメの工程において幅広く担当される山元監督ですが、2009年の「熱血宇宙人」から液タブを使用を始め、またTVPaintなど当時はあまり浸透していなかったソフトを使用して制作してきたそうです。現在500万回以上の再生を記録している「ノンタンたいそう」では音楽に合わせて音を付けるためにPhotoshopを使用されています。

現在のアニメ業界ではアナログ制作工程をデジタルへ移行する流れが加速してますが、ソフトが多数ありなおかつそれぞれに良い部分悪い部分があるため、足並みを揃えるのが難しい状態です。

2000年代のPCやアプリケーションの発達によって生まれたデジタル系個人アニメクリエイターと 通常の商業アニメのスタジオワークフローの両方を経験しているクリエイターは少ないので、 そういった強みを生かし、クリエイティビティと商業性を兼ね揃えた作品を作っていきたいと山元監督は語ります。また通われた大学は福岡にある「出島」のような場所で、そのドメスティックな環境のため、焦らず、自分のクリエイティビティを考えながら創作できたと語ります。

脚本を作ること、キャラクターデザイン、作画、3DCG、音周りの手配、 上映会の準備、作って、見てくれる人に届けるまで全部自分でやらないといけない。 全てを手弁当でやるしかない状況でガラパゴス進化をしたことで、自分が様々なセクションに 対して柔軟に対応できるようになったし、分業化が進んだアニメーション業界において、 自身のアドバンテージだと語ります。

アニメ「TIME DRIVER 僕らが描いた未来」について

そんな山元監督ですが、直近では文化庁による若手アニメーター育成事業あにめたまご2018にて「TIME DRIVER 僕らが描いた未来」の原案・監督を務められております。本作は勇者シリーズが好きだったという山元監督が「大好きなアニメも1年経ったら終わってしまう」というアニメの宿命が悲しみを感じていた自身の少年時代の気持ちを顧みつつ、もし地球を救った子供達の続きの話があったら? ということをどんな物語になるんだろうと考え、大人になった今作ろうと思い、企画、制作した作品です。

過去の人気作のフォーマットを現代人向けにアレンジした本作のターゲットは20~30代。人気のあるジャンルは確立しつつある昨今のアニメ業界において大人の中の子供に向けたテーマを持つ新たな作品の 提示をしたいと思い、制作されたとのことです。(ストーリー)

大手おもちゃメーカー営業部に所属しながらも、なかなか自分の夢を追いかけきれないままに、へこみ気味な日々を送り続ける松原勇斗27歳。幼なじみの恋人アイにも愛想をつかされがちな、そんなある日、かつて彼が子どもの頃に思い描いていた、夢の力をエネルギーに動くロボット“タイムドライバー”が突然目の前に現れ、無理やりコックピットに乗せられてしまう。しかもそこには、何と12歳のころの自分=ちび勇斗がいた⁉

(c)IMAGICAイメージワークス ROBOT Junichi Yamamoto

今作はもちろん若手アニメーター育成が念頭にあるプロジェクトですので若手アニメーターの作画にて構成されております。通常のアニメーションは作画は線の綺麗なものを追求していくものですが、山元監督はここを逆手に取り作中で作画を崩しながら戦うという「演出としての作画崩壊」を一つの要素として取り入れたとのこと。また自身の学生時代の自主制作で培った経験として「上手くなるとはなんなのか」「リソースが限られた状況で、制限を逆手に取る方法」などを現場の若手に話したエピソードを語られました。このように現場では監督自身も若手へアドバイスを送ったことはもちろんこの作品に参加した数々の名作を担当してきた大ベテランたちからも監督自身も学べたことが多かったようで「あにめたまごのプロジェクトはとてもよいプロジェクトですね」と振り返りました。

商業アニメと作家性の両方のバックグラウンドを持つ従来のアニメに新しい風を吹き込む山元隼一監督、JapanAnimeMediaでは今後も更にその制作手法や作品にフォーカスしていきたいと思います!

【メインキャスト】

松原 勇斗 : 松岡 禎丞

ちび勇斗 : 小松 未可子

美波 アイ/ちびアイ : 荒川 美穂

タイムドライバー : 杉田 智和

スフィア : 大西 沙織

ダークマター : 金田 朋子

【メインスタッフ】

原案・監督 : 山元 隼一

脚本 : 武井 彩

プロデューサー : 礒部 亜希子 間宮 良介 岩澤 朋也 加納 秀紀

作画監督/キャラクターデザイン : ふくだのりゆき

指導原画 : 新谷 憲 原画 :相澤 歩、谷 翔太郎、西出 祐基、藤井 世蓮、 森口 弘之、山村 有理、岩永 浩輔 武藤 信宏

動画チェック : 福井 智子

色彩設計・撮影監督:江頭 勇希

美術監督:里見 篤

音楽 : 井内 啓二

アニメーション制作 :

IMAGICA

イメージワークス

ROBOT

東京MX「あしたのshow」にて『TIME DRIVER 僕らが描いた未来』の本編がノーカットで放送されます。

監督、プロデューサーのインタビューもありますのでぜひご覧ください。

放送日 2018年 7月17日(火)早朝4:00~4:30A.M

TOKYO MX1

http://s.mxtv.jp/variety/ashitano_show/

https://www.ashitanoshow.net/

(取材 / 文:MoA)

(編集:JapanAnimeMedia編集部)

1 comment for “「TIME DRIVER 僕らが描いた未来」「熱血人面犬」監督の山元隼一さんインタビュー。監督のアニメ作りへの考えとは?

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