クラウドファンディングに必要なものとは?AWESOME JAPANの金野さんに聞いてきた!

クラウドファンディング、「最近わりとよく聞くけど」という人も多いかと思いますがその実態をつかめている人はどれだけいるでしょうか?

クラウドファンディング(英語:Crowdfunding)とは、不特定多数の人が通常インターネット経由で他の人々や組織に財源の提供や協力などを行うことを指す、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語である。ソーシャルファンディングとも呼ばれる。(参照:Wikipedia

Wikipediaから引用してみました。「インターネット経由」「資金調達」「不特定多数」というキーワードだけが先行していて、投資や寄付という概念があまりない日本では「なんだか怪しい」「よく分からない」「簡単にお金が集まるみたい」といったようなフワッとした捉え方をしている人が現状では多いのではないかと思っております。加えてこのサービスが始まったのは海外、利用者の殆ども海外であることもクラウドファンディングの情報が日本にはあまりない要因かと思います。

そのような状況の日本であっても話題になっているクラウドファンデングについて、日本で一番経験があり今後の展開にも注目の株式会社AWESOME JAPANの代表取締役社長:金野太一さんに聞かせて頂いた話をこの記事では紹介していこうと思います。

「本当にお金が集まるのか?」「始めたいけど何から始めればいいのか?」「誰でも出来るのか?」そんな基礎的な所から「成功する人のタイプ、成功しやすい作品」など具体的な方法論まで沢山お聞きすることが出来ました。

AWESOME JAPANとは?そしてクラウドファンデングについて

Awesome JapanのHPのトップ

AWESOME JAPANのHPのトップ画面

インターネットをよく使う人ほどよく聞く「クラウドファンディング」というフレーズですが、実は最近、日本でもいくつかの成功例が呼び水となり利用者が増えています。その成功例の最も有名なものの一つでゲーム部門での数々の記録を打ち立てた「シェンムー3」という作品があるのですが、実はこのプロジェクトの成功をサポートされたのが今回お伺いした株式会社AWESOME JAPANなんです。

もともとは海外で生まれたサービスであるクラウドファンディングは利用者のメインも海外でしたが、最近は日本でも「CAMPFIRE」や「Makuake」といった新たなプラットフォームが生まれていることもあり徐々に浸透してきており、国内発のプロジェクトでも大きな金額ではないですが成功例も増えてきています。

ここまで何度もクラウドファンディングという言葉を使ってきてますが、この言葉はあくまで概念。その概念をサービス化しクリエイターも支援者も使いやすくするにあたり先述した通り日本も含め世界には様々なクラウドファンディングのプラットフォームがあります。

Kickstarterとは?

たくさんあるクラウドファンディングのプラットフォームで最も利用者が多く、活発なのが「Kickstarter」というサービスです。

Kickstarterは世界最大のクラウドファンディングプラットフォームで、AWESOME JAPANもこのKickstarterを使って数々のプロジェクトを成功に導かれています。シェンムー3もKickstarterでのプロジェクトです。

Awesome Japan株式会社:代表取締役社長の金野太一さん

AWESOME JAPAN株式会社:代表取締役社長の金野太一さん

金野 太一さん(以下、金野):我々のメインの事業は「海外進出支援事業」です。その中でもゲームやマンガ、アニメなどの翻訳、ローカライズ業務が主力となっています。「Kicksterter支援事業」というのはあくまで我々の事業の一つなんです。

ただローカライズサービスを提供するだけでは珍しくないなと思っていた中、クラウドファンディングを使ったモノ作り、コンテンツ作りが出てきてクリエイターの方々も興味を持ち始めている現状があると知り、Kickstarterを使った支援事業を始めました。

AWESOME JAPANの立ち上げの経緯

金野:私は2006年に新卒で入った通信系の会社で新規事業開拓や、財務、IRなどをやっていました。ちょうど30歳になったくらいのタイミングで年齢的に区切りがよかったことと、市場にお金が回り始めたような雰囲気も出ていたため、2013年の11月にAWESOME JAPANを設立しました。

実は最初は自社コンテンツにこだわり、オリジナルの4コママンガやキャラクターを作って、それを同時に英語にしてウェブページで公開してました。Facebookのいいね!数が1ヶ月もしないうちに東南アジアを中心に10万以上すぐに集まったんですが、半年くらい続けてもなかなかマネタイズすることができませんでした。

その時さすがにこの事業は無理だということは分かったんですが、同時にこの事業を通じて今まで積み上げてきた経験や人材を活かして、既にコンテンツを持っている人や企業のサポートはできないかと考えました。そこで当時需要が高まりつつあったKickstarterプロジェクトの立ち上げ支援サービスを2014年6月に始めました。

私たちはたまたま現地法人が作れたり、現地のネイティブスタッフがいたのでKickstarter支援を始めることは難しくなかったんですが、大企業ならまだしもベンチャーやクリエイター個人でこれをやるのは絶対に無理だなと思いました。

時間とお金をかけて経験を積んだクリエイターが作った「これぞ!」というコンテンツを海外に出していくサポート業務にはとてもやりがいを感じますね。

一番の成功事例「シェンムー3」

ーー「シェンムー3」の成功は日本にクラウドファンディングを認知させる大きな要因になったのではないでしょうか。

金野:そうですね。Kicksteter支援事業を始めて1年半くらいの間にかなりの数のKicksteterの事例を扱いましたが、一番の成功事例は2つのギネス記録を樹立した「シュンムー3」という作品です。

2つのギネス記録とは、Kickstarterのビデオゲーム部門の最高額、そしてゲーム部門でKickstarter内最速の100万ドル達成ということです。この事例を見て興味をもってくれているクリエイターが増えている事を日々の我々への問い合わせの中で感じています。

現状、国内だけで集めようとしてもなかなか難しい現状なのですが、それでもKickstarterはある程度の予算の一部を集める事ができる手段のひとつにはなっていると思います。これから大手の会社も含めて選択肢として出てくるのではないかと思ってます。

ーーTRIGGER制作の「リトルウィッチアカデミア」や、スタジオ4℃制作の「Red Ash」のようにアニメの例も沢山出ていますね。アニメ制作現場でもクラウドファンディングを意識されている方は増えてきているように思います。しかし具体的にどのように活用していくかなど議論はまだまだされていないのが現状ではありますが。

金野:アニメとの相性はいいですね。しかし大前提なんですが誰でも成功するわけではないと思います。本気の人はいちいち他人から言われなくても自分で調べて自分で動き始めると思います。それぐらいの気持ちがある人でないと、なかなか成功しない、それほど甘くないという事実はあります。そうはいっても情報が入ってこなくて知らないという人もいるとは思いますが。

また、作品が完成すれば終わりというわけではなく、その作品が継続的にお金を生み始めてようやくビジネスとして回り始めるということも忘れてはいけないポイントだと思います。

ーー大きな成功事例はゲーム部門でしたが、これからアニメの事例も扱っていく予定ですか?

金野:アニメはいくつかお話を頂いてます。2016年も複数のプロジェクトを開始します。一つがシンフォニウム株式会社さんとTokyo Otaku Modeさんと共同で準備している錦織 博監督の3DCG作品です。他にはすでに日本で放送されたアニメをVRなどと絡めてフルCG化する企画だったりなど。アニメでもある程度成功事例が出てきているので、クリエイターやプロデューサーが調べて「やってみよう」と思っている状況がありますね。そういう方々のように攻める姿勢がある人が挑戦していく事で、今後もそういった姿勢がある人のチャンスが広がったのではないかと思っています。私の中のクラウドファンディングのイメージは情熱があって有能なクリエイターの方々が、自力でチャンスを掴めるツールというイメージです。運やタイミングなどの要素もありますが、比較的正当でフェアな評価を受けることができると考えています。

クラウドファンディングは始まってからが本当に大変

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クラウドファンディングは始まってからが大変なんです。

金野:クラウドファンディングの成功には友達や身内などを巻き込んだ告知をしたり、プロモーションの為にメディアに売り込んだりなどが最初は必要になります。クラウドファンデングを始めようと思って始める人はもともと能動的なので、売り込むのが上手い人が多いですね。自身の人脈の棚卸しをして頭を使って営業をかける。そういったバイタリティがないと始めることは出来ても成功することは出来ないのではないのかなと思います。例えばクラウドファンディングで2,000万円の資金を集めてアニメを作る場合、平均単価など様々な要素を考慮すると、最終的に最低でも2,000人以上の人を巻き込んでいく必要があるので、なりふりかまわず動ける人でないと成功は難しいです。

ーーシェンムー3の場合はどうだったのでしょうか?もともとビックタイトルで、尚且つゲームのウェブメディアも海外には沢山あるという状況も成功の秘訣だったのでしょうか?

金野:ウェブメディアやSNS、フォーラムなどとの親和性はめちゃくちゃ高かったですね。記事からワンクリックでKickstarterの支援画面に遷移して、もうワンクリックで決済画面にいく。その2、3クリックという短さがとても大きいです。

ーー成功率が高そうなプロジェクトとはどんなものなんでしょうか?

金野:一つに実績のある有名な監督、有名な作品、そして過去の有名な作品です。特に90年代の日本のコンテンツは海外に多く輸出されていますので海外での知名度がとても高いんです。

更にその年代の作品は、Kickstarter世代と言われる3,40代の男性により響きます。範囲が限定的な印象を受けるかもしれませんが、なにも100万人に知られている必要はなくて、1万人が知っていればいいんですよ。

次にメディアの食いつき。メディア側が応援しやすいような作品やクリエイターは圧倒的に有利です。

そして最後はその人次第というところ。人一倍情熱があり、人を巻き込める人で絶対に作品を世に出したいという強い意志のある人。知名度がないクリエイターでも勝てるチャンスはKickstarterにはあります。そしてそういう人の熱意は伝わって、有名な方がプロジェクトに加わってくれたりすることもありますね。

「どれだけ本気なのか」というところがとても大事です。

ちなみにすでに予算がある企画でもプロモーション目的にKickstarterを使いたいというプロジェクトもあったりします。

ーー作品がある程度出来上がっているというのも、重要な要素になりそうですね。

金野:そうですね、少なくともプロトタイプがないとKickstarterは出品を認めてないんです。思いつきやアイディアだけだとダメなんですよ。

Kickstarter成功のためには

ーー我々が取材したドイツのアニメーターの間でもクラウドファンディングの話がでました。彼は自身のプロジェクトで最初ドイツ国内のクラウドファンディングプラットフォームを使っていたそうなのですが、そのプラットフォームには人がいないので途中でKickstarterに乗り換えたそうです。その乗り換えた大きな理由がドイツが「プロジェクト掲載国」になったためなんだそうです。このために彼はドイツから容易にKickstarterにプロジェクトを出せるようになった。日本も今後プロジェクト掲載国になることはあるのでしょうか?そうなったとしたら日本での成功ももっと増えますか?

Project creation is currently available to individuals in the US, UK, Canada, Australia, New Zealand, the Netherlands, Denmark, Ireland, Norway, Sweden, Germany, France, Spain, Italy, Austria, Belgium, Switzerland, and Luxembourg who meet the requirements below.

—You are 18 years of age or older.*
—You are a permanent resident of the country that you’re creating a project in, either creating a project in your own name or on behalf of a registered legal entity.
—You have an address, bank account, and government-issued ID based in the country that you’re creating a project in.**
—You have a major credit or debit card.

*Parents and teachers can launch projects in collaboration with children under 18 only if the adult registers for the Kickstarter and payments accounts and is in charge of running the project itself.

**Citizens of the E.U. are welcome to use a government-issued ID from any E.U. country (such as an E.U. passport, etc.).

プロジェクト掲載についての注意書き(KICK STARTER: Creator Questions

※現状、日本はプロジェクト掲載国ではないために、言語や銀行口座などの様々な壁があります。

金野:仮にプロジェクト掲載国になったとしても、やはり言語面での問題がありますね。例えばドイツ語と英語くらいの違いであればGoogle翻訳などの精度も高く、そういうツールを活用してなんとかコミュニケーションすることは可能かもしれませんが、日本語と英語の違いはやはり大きいと思います。

申請すること自体はメインではなくて、あくまで成功する事が目的。僕らも成功するから成功報酬をいただけます。プロジェクトでは一連のプロモーションを通じて人間関係もどんどん構築され作品もどんどん大きくなります。

Kickstarterでプロジェクトを始めるに必要な現地の銀行口座や居住証明、これらも確かに壁にはなりますがプロジェクトが成功する最大のポイントはノウハウやコミュニケーションです。いかにして世界中の人々に向けて作品の魅力や思いを伝えて、信用してもらうための素早い対応をし、その中で関係性を築いていくか、これらが最大のポイントになります。

ですので仮に日本から容易に申請出来るようになったとしても英語圏とのコミュニケーションが大事なことには変わりはありません。そしてそれが私たちの本業であり強みの部分でもあります。

ーー具体的にはどのような役割を担っていただけるのでしょうか?

金野:例えばプロジェクト中には支援者以外にも企業から様々な提案や問い合わせがきます。「パブリッシャーやるよ」「うちの流通網にのせるよ」でしたり、声優事務所からの売り込みや、リワード(Kickstarter内で支援者に対して送られる景品)に関してのメーカーからの売り込み。メディアからの問い合わせもあります。そういったところを一緒にやらせていただきます。クレームなどもありますが、慣れている我々が入ることでうまく対応していくことが出来ます。

また支援者もお金を出すのでリワードの状態は気になりますよね。Tシャツだったらサイズがどれだけあるのか、フィギュアだったらどうやって運ばれてくるのか。事前に規模を予測して大量の問い合わせがくることを予想できる場合は、24時間体制でチームを作り上げてシフトを組んでやります。

AWESOME JAPANのこの後の展望は?

Awesome Japan株式会社:代表取締役社長の金野太一さん

金野:Kickstarterは一つのツールであくまで我々の事業の一部なので、翻訳やローカライズを中心とする海外進出支援事業全体として積極的にやっていきたいですね。

今は補助金・助成金などの国からの後押しもたくさんありますし、資金調達の方法もクラウドファンディング以外にも実際はたくさんあります。我々の方でお金の集める手段やモノを作る手段を多く提案していきたいと思っています。

ーーいずれコンテンツ制作をしていくという気持ちはあるんですか?

金野:いずれですね。しかしまずはコンテンツを持っている方の海外進出支援のほうが優先順位が先ですね。


 海外展開に興味がある人は気軽に相談を

「ご連絡を頂ければいつでも相談にのります」

今回お話を聞かせて頂いた株式会社AWESOME JAPANの金野さんの言葉です。

株式会社AWESOME JAPANはKickstarterを使った海外展開支援の経験は日本国内屈指です。やる気がありクラウドファンディングに興味を持たれた方はまずは気軽に相談してみることをオススメします。

AWESOME JAPAN Contactフォーム

クラウドファンディングだけじゃなく海外進出支援や翻訳、海外プロデュース全般の相談もどしどし受付しているそうです。

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